最近お友達となったTradosさんと手と手を取り合い、露光装置関連の対訳を開始しました。
Tradosさんは気難し屋なので、なかなか素直に動いてくれません。
たぶんまだ、自分はTradosさんと浅い関係だからでしょう。
しかし、仲良くなろうとこちらから歩み寄れば、きっといつか振り向いてくれると信じています。
Tradosはさておき、対訳最中にふと手が止まってしまいました。
【原文】
In that instance, a patterning device, which is alternatively referred to as a mask Or a reticle, may be used to generate a circuit pattern to be formed on an individual layer of the IC.
【公開訳文】
(11)【公開番号】特開2018-156100(P2018-156100A)
(43)【公開日】平成30年10月4日(2018.10.4)
(54)【発明の名称】露光装置
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
【背景技術】内の一文
このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイ
スを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。
“, which is alternatively referred to as a mask Or a reticle,”の部分の訳文が、少し引っかかるのです。
alternativelyを「代替的に」と訳すのは、何となくおかしいような気がするのですが、じゃあ、どの用語を使えば自然なのか…。
自分ならこうするかな、と考えたのがこちらです。
「このような場合、パターニング装置(あるいは、マスク又はレチクルと呼ばれる)を使用して、ICの個別層上に形成すべき回路パターンを生成してよい。」
which is …の部分をカッコの中に入れ、その上でalternativeを「あるいは」と訳したのですが、勝手にカッコをつけていいものなのかもわかりません。
また、may be used to generate…の訳も、公開訳文の「生成することができる」から、「生成してよい」にしました。
しかし検索してみると、may be used を「~ができる」と訳してある文章も多く、やはりコンテキストで選択するしかないのだろう、しかし、自分の訳と比べてどちらがいいのかわかない、と悩んでしまい、自分の力不足を感じます。
自力で訳語を決定するのは、やはり難しいものですね。
今の自分に足らないものは、専門知識、特許翻訳明細書で使われる日本語の言い回しなど、全てです。
これを機に、どんどんインプットを増やしていく予定です。
会社では日本語の明細書を読んだり、露光装置関連の情報をインターネットで収集することを中心とし、家では対訳作業に焦点を当てていきます。