ビデオ視聴
・TC0068_岡野の化学(68)~終了
・TC0069_岡野の化学(69)
・TC0070_岡野の化学(70)
・TC0071_岡野の化学(71)
・2577_スラックについて考える
消え色ピット
同講座受講生の方は、いろいろな文房具用品を使用していることと思います。かくゆう私も、コピー用紙、ノート、ペン、のりなど、ものすごい速さで消費しています。
受講開始して何代目になったか分からない固形のり「消え色ピット」を使っている時に、「そういえば、こののりって、塗る時は青色なのに、どうして乾くと透明になるんだろう?」とふと疑問に思いました。
好奇心に駆られ、Tombowのサイトに行き、情報収集しました(以下抜粋)。
「消えいろピットの色が消える仕組み
貼るまでは色があって、乾燥して貼り上がれば無色になる消えいろピットは、pH指示薬を配合することによってできています。つまり製品の状態ではアルカリ性なのですが、空気に触れて二酸化炭素を吸ったり、紙の持つ酸性成分と反応したり、また乾燥して水分を失うなどにより中性化すると言う性質をうまく利用したものなのです。
この特徴によって得られる効果は、色がついているので塗った所と量が分かる、必要な所に確実にムラなくムダなく塗れる、確実で作業が早く経済的で効率的等といった事があげられます。」
ということは、もともとはアルカリ性だったものが、酸性成分と反応することで中性化する。pH指示薬が配合されてるため、塗った直後は青色だけれど、時間が経過し、酸性度が高くなると無色になる、ということかな?
アルカリ性に反応する指示薬だとすると、フェノールフタレインを使っている?
いろいろ検索してみたものの、残念ながら「消えいろピット」の特許は見つけられませんでした。
ただ、これに関連していると思われる、Tombowの特許を1つ発見しました。
【公開番号】特開2005-330425(P2005-330425A)
【公開日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【発明の名称】消去性水性インキ組成物
【要約】
【課題】 筆記後視認でき、一定時間経過後に一旦消失し、その後所望時に再度視認することができ、経時安定性の向上した消去性水性インキ組成物を提供すること。
【解決手段】 水、水溶性有機溶剤、PH指示薬、無機系塩基性物質および水溶性有機アミンを含有する消去性水性インキ組成物であって、可視光または昼光の下では視認不可能で紫外光を照射すると視認可能である蛍光着色剤もしくは蛍光増白剤0.01~5質量%(組成物全量中)をさらに含有し、組成物のPHが9.5以上であり、前記水溶性有機溶剤として溶解度パラメーターが13未満のものと13以上のものとを含有することを特徴とする。
【請求項2】
前記PH指示薬が、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、O-クレゾールフタレインまたはその誘導体からなる群から選ばれる請求項1に記載の消去性水性インキ組成物。
【請求項3】
前記無機系塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上であり、前記水溶性有機アミンがアルカノールアミンから選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の消去性水性インキ組成物。
おお、請求項2に、フェノールフタレインが使われているではありませんか!それ以外にも、チモールフタレイン、O-クレゾールフタレインも使用されているとのこと。
指示薬名 | 変色域(pH) | 色調(酸性色~アルカリ性色) |
o-クレゾールフタレイン | 8.2 – 9.8 | 無色 – 紫色 |
フェノールフタレイン | 8.3 – 10.0 | 無色 – 赤紫 |
チモールフタレイン | 8.4 – 10.6 | 無色 – 青色 |
固形のりのpHが、8以下くらいになれば、無色になるということですね。
8ページしかない特許明細書だったので、印刷しました。通勤の際にでも目を通してみようと思います。
ちなみに、発明のタイトル:「消去性水性インキ組成物」で検索してみたのですが、上記以外にも、ぺんてる、ゼブラ、パイロットが特許を出していたので、また機会があればのぞいてみます。
参照URL:
- http://www.tombow.com/tombow-qa/%E3%81%AE%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%9B%91%E5%AD%A6/
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E5%A1%A9%E5%9F%BA%E6%8C%87%E7%A4%BA%E8%96%AC
- https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
今日の一言
私は、失敗するかもしれないけれども、
やってみようというような事は決してしません。
絶対に成功するのだということを、
確信してやるのです。
何が何でもやるのだ、
という意気込みでやるのです。
(松下幸之助)
最後に、学習とは関係のないことですが…
本日、息子が卒園しました。来月からは小学1年生です。親として、子に託したいことはいろいろとありますが、まずは楽しく新学校生活を送ってほしいと思います。