勉強すればするほど疑問が増えていきます。
【原文】
An immersion liquid may also be applied to other spaces in the lithographic apparatus, for example, between the patterning device MA and the projection system PS.
【公開訳文】
リソグラフィ装置内の他の空間、例えばパターニングデバイスMAと投影システムPSとの間に液浸液を印加することもできる。
【図】
上記の図でパターニングデバイスMAは装置の真ん中近く、投影システムPSはそれより下に、そして基板Wが装置下の方に位置しています。
自分の中での典型的な液浸露光装置は、下のような構造のもので、液浸液(immersion liquid)は、投影レンズ(Projection Lens)と基板(Wafer)の間に位置しています。
ですが、上記の対訳文では、「パターニングデバイスMAと投影システムPSとの間に液浸液を印加することもできる」となっており、なぜマスク(レクチル)とレンズの間に液浸液を満たすのかがよくわかりません。
このような構造の露光装置を検索してみましたが、見つけることができませんでした。
上記対訳文の、この1つ前の文がこちらです。
【原文】
The lithographic apparatus may also be of a type wherein at least a portion of the substrate W may be covered by a liquid having a relatively high refractive index, e.g. water, so as to fill a space between the projection system PS and the substrate W.
【公開訳文】
リソグラフィ装置は、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板Wの少なくとも一部が相対的に高い屈折率を有する液体、例えば水によって覆えるタイプでもよい。
この構造なら、しっかり理解できるのですが。
また、「An immersion liquid may also be applied to」は「液浸液を印加することもできる」と訳されていますが、「液を印加する」に違和感があります。
確かにapplyの訳し方の1つとして「印加する」はあるのですが、通常、液浸液は「満たす」や「供給する」、「使用する」などの使われ方が多い気がします。
印加とは(Wikipediaより)
電気回路に電源や別の回路から電圧や信号を与える事を意味し、「電圧を印加する」「信号を印加する」という様に使われる。 またこの時、印加された電圧、電流はそれぞれ印加電圧、印加電流と呼ばれる。
Wikipediaの印加の定義からも、液浸液を「印加する」のはおかしい気がするのですが。
自分が知っている液浸露光装置とは全く違うタイプのものがあるのでしょうか。
残念ながら、朝の準備をし、その後すぐに出社しなければいけないので、この疑問はひとまず保留としておきます。