電子回路では、よく「アース」とか「グランド(GND)」って出てきますよね。
回路図内で、
などの記号で表示されています。
アースとグランドは、どちらも「接地する」というような意味合いで使われていることが多いです。
実際に、Wikipediaにも、このように書かれていました。
電気機器の筐体・電線路の中性点・電子機器の基準電位配線などを電気伝導体で基準電位点に接続すること、またその基準電位点そのものを指す。本来は基準として大地を使用するため、この名称となっているが、基準として大地を使わない場合にも拡張して使用されている。アース(英: earth)、グラウンド(英: ground)とも呼ばれる。
では、アースとグランドは同じものなのでしょうか?
同じことを指しているのであれば、違う記号を使う意味はないのでは?
実際にグランドとアースはそれぞれの記号があり、下記の回路図のように、両方が使われていることがあります。
やはり違いがあるから分けられている、ということですよね。
アースとグランド
アース
電気設備機器や電路と大地を電気的に接続すること。
また、機能によっては基準電位点そのものを指す場合もあり、目的・用途によって多少の意味合いが違うこともある。
グランド(GND)
一般的には「回路動作の基準となる電位」のこと。しかし、「大地に接続すること」としても使用されている。
金属筐体などに接続、金属製のシャーシを含めて共通グランドとしてしまう接続の場合に用いられていたグランドの接続。
上記の定義では、やっぱり混乱してしまいますね。
厳密に分けると、
電位の基準となる点がグランド、大地に接続することがアース(接地)
とのことのようです。
こちらの図を見てみると、それぞれの違いがよくわかります。
シグナルグランド
もう1つ、シグナルグランドもよく使用されます。
電子回路に使われるグランドで、回路の動作の基準になる電位のこと。
上記で参照させていただいたこちらのサイトに、グランドとアースの違いが詳しく説明されているのでお勧めです。
アースやグランドの役割
家電で洗濯機などの漏電と感電防止、電子回路のノイズ対策などです。
特にアースに関しては、洗濯機や電子レンジなど家電製品についている緑色の接地線(アース線)などの身近な例があるため、なじみがあるのではないでしょうか。
役割について詳しく説明するには、もう少し深い電気回路の知識が必要になるので、ここでは割愛します。
ちなみに、検索したサイトの中には、アースはグランドの種類の1つとの説明もありました。
上記3つのグランド(アース)以外にも、パワーグランド、保安グランド、デジタルグランド、アナロググランドというものもあり、けっこう奥が深いです。
結局…
アースとグランドには違いはあるようです。
しかし、同じような意味として使われていることもあるので、翻訳する際などはケースバイケースで扱うのがいいですね。
英語のサイトでは、
- アース:earth ground(or general ground)
- グランド:chassis ground
- シグナルグランド:signal ground
となっていました。
併せて覚えておくと、英語で電子回路図関連を調べたいときに役立つのではないでしょうか。