あぶない、あぶない。
地雷を踏みそうでした(写真はバナナですが)。
対訳学習の見直し
「2806_訳語確定フィルター」にてJargonについて詳しく説明いただき、ありがとうございました。
対訳学習の方向性は間違っていないようなので、訳語の検索・確定のプロセスに関しては、このまま地道に続けていきます。
問題は、スピードですね。
露光装置関連の知識を幅広く得るためには、ASML社だけではなくキヤノンやニコンなど別の企業も着手する必要があるとわかった今、トライアルを視野に入れた学習開始前までにどれくらい対訳に時間を割けるのか、今一度逆算する必要がありそうです。
11月はセミコンジャパンの準備もありますし、悩み始めるとパニックに陥りそうなので、今は何を優先すべきか冷静に考え、目の前の壁に貼ってあるガントチャートの改正に取り組みたいと思います。
誤訳しそうになった例
さて、こちらからが、踏みそうになった地雷についてです。
【原文】
These wafers may be referred to as a lot of wafers.
対訳中に原文を読んでいる際、”a lot of wafers“を「多数のウエハ」と脳内変換していました。
そうなると、「これらのウエハを、多数のウエハと呼んでよい」との訳出になります。
…これは、何かがおかしい、いや、おかしいのレベルを越している。
ここで本当はしっかり検索をしてから公開訳文で確認した方がよかったのですが、チートして公開訳文から先に見てしまいました。
【公開訳文】
これらのウェーハをウェーハのロットと呼ぶことがある。
…そうか、ロットなんだ。
以前に趣味で編み物をしていましたが、同じ毛糸を追加購入する際に、「購入したい毛糸のLot No.(生産番号)を教えてね」といわれたことを覚えています。
参照
ロットとは?
ロットとは主に製造業などでモノの単位として用いられる言葉です。例えば「ある商品は必ず10個単位で製造します」、あるいは「10個単位で販売します」という場合の、製造者側が決めた量的な単位のことをロットというのです。
1ロットは何個のことなのか。
ロットは製造側が決める単位です。そのため、その商品を製造する企業が例えば「1ロットあたり10個の商品を製造します」と定めたとすれば、「1ロット=10個」ということになります。同様に「1ロットあたり100個製造します」と定めれば「1ロット=100個」となるわけです。
この1文前の文が、下記のものです。
【原文】
Multiple substrates may be contained in a FOUP (Front Opening Unified Pod); e.g., 25 silicon wafers may be contained in a FOUP.
【公開訳文】
複数の基板をFOUP(Front Opening Unified Pod)に収容することができる。例えば、25枚のシリコンウェーハをFOUPに収容できる。
FOUP(Front-Opening Unified Pod )
SEMI スタンダードE47.1に規定されている、ミニエンバイロメント方式の半導体工場で使われる 300mm ウェーハ用の搬送、保管を目的としたキャリアであり、正面開口式カセット一体型搬送、保管箱である。
この、FOUPに収納することのできるシリコンウエハのひとかたまり、例では25枚単位のことを、ロットと言っているんですね。
思い込みは恐ろしい。
今回の例では、明らかに意味が通らないため、誤訳を避けられました。
しかし、意味は通るものの本当は誤訳である文の例も、たくさん存在します。
トライアルや実ジョブに立ち向かう心構えで1文1文向き合っていくことが大切だ、と痛感しました。