翻訳で、どこまで英語をカタカナにして使えるか?
最近、産業翻訳に時間を費やすことが多いのですが、「これって、日本語に置き換えるべき?それともカタカナでいいの?」と迷うことがけっこうあります。
たとえば、”process”。
「過程」や「工程」のような意味ですが、「プロセス」とカタカナで表すことも多いですよね。
“challenge”は「挑戦」ともいえますし、「チャレンジ」でも大丈夫そうです。
“America”は通常「アメリカ」でよさそうですが、時には「米国」のほうがいいときもあります。
最近カタカナ英語で浸透してきたな、と思う単語としては、”solution”が挙げられます。
「解決」や「解答」ではなく、「ソリューション」を使用。
その他には、「レビュー」、「コンプライアンス」、「シェア」、「スキーム」、「タスク」、「フィードバック」、「ユーザー」などなど。
20年前だったら「マネタイズ」なんて言葉、日本では使ってなかったように思うのですが。
特にIT系企業や外資系企業は、このようなカタカナ語を好んで使うことが多いような気がします。
カタカナ語でいいかどうかは、やはり業界によって違ったり、クライアントによっても違ったりするので、臨機応変に対応していくしかないのでしょうね。
正確な発音とカタカナ語の発音の違いに困惑
一時期カナダに住んでいたことがあり、そこでは英単語を英語そのままの言葉として覚え、自分の中に定着しました。
ところが日本に帰国後、その英単語がカタカナ読みになっていて、「英単語を日本語読みで覚え直す」ことに躊躇してしまったことを覚えています。
たとえば”knowledge”という単語。
“o”は「あ」と「お」の中間の音で、自分の中では「ノレジ」に近い発音と思っていたのですが、日本では「ナレッジ」と書くんですよね。
あと、”default”も「ディフォルト」ではなく「デフォルト」、”query”は「クィアリ」ではなく「クエリ」と呼ばれています。
このカタカナ語から覚えてしまった日本人は、海外で英語を使うときに苦労しそうです。
カタカナ語は英語圏では通じない
そういえば。
カナダで友人とアイスクリームを買いに行った、ある夏の日のこと。
アイスクリームのカウンターで、かわいらしい20歳くらいのアジア人の女の子が一生懸命アイスクリームを選んでいました。
そして食べたいアイスクリームが決まったところで、カウンターのお姉さんに
「バニラプリーズ!」
と注文したのです。
カウンターのお姉さんは、”banira…?”と困惑してしまいました。
女の子は「バニラ、バニラ!」と一生懸命伝えようとするのですが、いかんせん発音が超コテコテ日本語の「バニラ」。
そんなバトルがしばらく繰り広げられましたが、いい加減いやになってきたらしく、カウンターのお姉さんがチラッとこちらを見て、「この子が何いってるのか通訳してよ」的な顔をしてきました。
この状態が続いたらかわいそうだし、自分も早くアイスクリーム買いたいし、お手伝いしようかなと思ったその瞬間、女の子は「バニラ!」といいながらバニラアイスクリームを指さしました。
そこでカウンターのお姉さんはようやく、
”Oh, vanilla!!”
と理解することができたのです。
その後はすんなりお会計を済ませることができ、一件落着となりました。
この例からわかるように、日本人の苦手な ”v” と ”l” の音の入った単語、要注意です。
この音を発音するのが苦手な人は、英語圏でのバニラアイスクリームの購入は控えた方がいいかもしれません。
「じゃあ、チョコレートやストロベリーなら通じるの?」といわれても、保証はできませんが。
女の子が実践したように、言葉が通じない場合、ほしい商品を指さしするのが一番わかりやすいコミュニケーション方法でしょう。
上記の例に挙げた「バニラ」だけでなく、”library”「ライブラリ」や”umbrella”「アンブレラ(傘)」の “l” と “r” の組み合わせも、日本人が苦手とする発音ですよね。
はやり、英単語を覚えるときにカタカナ語ではなく、最初からきちんとした発音で覚えたほうが、後々覚え直す手間がはぶけると思うのですが。
そうなると、日本の外国語教育を劇的に変える必要性が出てきます。
小学校でも英語教育が少しずつ浸透してきていますが、文法だけでなく発音もしっかりしている教師によって、子どもたちが学べるようになることを心から願います。
嬉しかったこと:実ジョブ編
嬉しいことに最近、チェック作業ではなく翻訳案件をいただきました。
とてもワード数の少ないものでしたが、この先も翻訳案件がいただけるようにと、全力を注いで作業しました。
これが本当のトライアルなんですよね。
この後続くであろう本当のトライアルで、「コイツ、チェック作業だけじゃなく翻訳もできるじゃん」と合格点をいただけるようにしていきたいです。
いえ、合格点をいただけるようにします。
また翻訳作業だけでなく、会社とのやり取りなどでも失敗しないように、スキームの確立を進めていきたいと思います。