あまり慣れていない内容の明細書は進みが遅い
本日、明細書チャレンジ2日目ですが、結果は2件に終わりました。
- コンタクト露光装置_JPA_2018055051_p12
- グリッド偏光素子_JPA_2018092202_p14
2件の合計で、26ページです。
1件目はお馴染みニコンの露光装置だったので、けっこうサクサクと読めたのですが、2件目の「偏光素子」は、橋元の物理で偏光に関して少し学習した程度だったため、理解するのに時間がかかりました。
「今回は、選択ミスしちゃったかな」と、ちょっと残念な気分に。
しかし読み進めるうちに、レジストだの、酸化膜だの、犠牲層だの、スパッタリングだの、と知っている用語が出てくる部分があり、ほっと安心することもありました。
やはり、知識があるのとないのとでは、速度も理解力も全く違いますね。
2件目の明細書は、メインテーマは偏光素子ですが、露光装置関連でもあるので、横展開していく際にはもう少し深く学習したいです。
明細書で間違いを発見
明細書内で1か所間違いを見つけました。
【0020】
図2は、貴金属でグリッドを形成した場合の偏光性能を調べたシミュレーション実験の結果を示す図である。図2(1)には、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Rh)のそれぞれについて、グリッド材料として選定した場合の偏光性能
、即ち透過率Tと消光比ERが示されている。
明細書内では、「ルテニウム(Rh)」となっていますが、ルテニウム(英: ruthenium)はRuです。Rhだとしたら、ロジウム(英: rhodium)ですね。
この2つの元素は周期表で隣り合わせで、どちらも遷移金属であり、かなり似た性質を持っています。
実際にこの明細書内でも、「偏光層の材料として好適に選定し得る貴金属として、金、白金、イリジウム、パラジ
ウム、ロジウム、ルテニウムが挙げられる。」と記載されており、ロジウムとルテニウムが同様の役割を果たす場合があるとわかります。
しかし、RuとRhを書き間違えると、やはり読み手は混乱してしまいますよね。
特にこの明細書では、どちらの元素も使えると記載されているため、「ルテニウム(Rh)」と書かれると、ルテニウムのことをいっているのか、ロジウムのことをいっているのかわかりません。
ちなみに、この明細書はウシオ電機のもので、外国語から日本語に翻訳されたわけではなく、原文自体が日本語です。
発明者の方も弁理士の方も、日本語であっても見逃してしまうこともあるんだな、と改めて実感しました。
そして、1年前には全く化学も物理もわからなかった自分が、明細書の間違い(些細な間違いですが)に気づけるようになったことに、少し喜びを感じています。
明日もまた明細書チャレンジを続行します。