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日本の教育:生徒が教師の間違いを指摘してはダメなのか?

タイトルにある疑問を持つまでの経緯

現在子供2人の子育てをしています。

長女は小学3年生で、今年度に入ってから2週間に1回程度の英語教育が始まりました。

はじめは、”Hello” や、”How are you?”などのあいさつから入り、最近では、”My name is ●●. I like blue, green and red. Thank you.” との簡単な自己紹介や、ABCの歌などの勉強、またローマ字を書く練習などの学習へと進んできているようです。

とある英語の授業中、先生が紫色の英語”purple(pə’ːrpl)”の発音を、”parple(pɑ’ːrpl)”と発音したことで、娘は先生に間違っていると指摘しました。

先生はネイティブではなく日本人の方のようで、purpleの発音をよく知らなかった、あるいは無意識に間違った発音をしてしまったのだと思います。

帰宅後、娘がこの話を祖母(私の母)にしましたが、その時に祖母は娘に

「先生に間違ってるなんて絶対に言っちゃダメ。間違ってるってわかったとしても、だまっていればいいの。」

と伝え、後ほど私にも「そういうときにはだまってるように、●●(私の名前)からも、もう1回念を押しておいてね」と言いました。

そこで私は、「先生が間違えていることを間違えているよと、生徒が伝えて何が悪いんだ?」と疑問に思ってしまったのです。

間違っていると指摘してはいけない理由(祖母編)

 

母の言い分
  1. 教師の面子が潰され、他の生徒が先生のことをバカにし始めるかもしれない
  2. 長女の自慢に聞こえる
  3. 長女は英語ができて当然(と思われている)なのに、テストで100点取れなかったら、反対に長女がバカにされる
ポイント1

まず、授業中に教師の間違いを指摘することで、他の生徒が「なぁんだ、先生、わかってないんじゃん」と先生のことをバカにするかもしれない、という心配が祖母(私の母)にはあるとのこと。

そして、その教師が恥をかかされたことで、長女のことを嫌いになるかもしれない、その結果、先生の長女に対する接し方が悪くなる可能性があることを恐れているようです。

日本で重んじられている「相手の面子を潰さない」精神、特に目上の者に対しては、敬意を示すのが当然とされているので、先生のプライドを傷つけないためにも、間違いを指摘するのはタブーなのかもしれませんね。

でも、教えてあげなければ、その教師は同じ間違いをずっと繰り返し、この先何度も恥をかき続けることになってしまうので、教えてあげたほうがいいというのが、私の個人的な意見です。

ポイント2:

実は、子供たちはカナダで生まれ育ち、数年前から日本で暮らしています。

主人は日本人ではないため、今でも家庭内で使われるの言語は基本英語です。

そのような経緯からも、子供たちは日ごろから英語を話し、大好きなYoutubeも、英語のものばかり見ています。

なので長女が先生に、”purple”の正しい発音は”(pə’ːrpl)”だと指摘したことは、単なる事実を述べているのであって、別に自慢したつもりではない、と思っています。

特に、長女は小学校入ったばかりとときに日本語がうまく話せず、同級生からバカにされたり差別されたりしたことがあったため、言語が十分に使いこなせないという理由で人をバカにしてはダメなんだ、と自分自身の経験から身に染みてわかっているはず。

でもやはり、他の同級生から見たら、娘は自慢しているとしか見えないのでしょうか?

ポイント3:

上でも書いたように、子供たちは日頃から英語を話し、英語を聞いています。

しかし、読み書きはほとんどしていませんし、学校では全て日本語です。

現在長女はローマ字の学習中ですが、学校で習うローマ字表記とアルファベットは少し違います。

ローマ字表記の例

学校のローマ字表記:「GAKKO^」
牛乳のローマ字表記:「GYU^NYU^」

長女は「学校」と聞けば”school”、「牛乳」と聞けは”milk”と書くことが普通なので、上記のローマ字表記は、小学校学習用の表記として覚えなければいけません。

もしかしたら、娘はこの先ローマ字表記のテストで、「^」の表記を書き忘れるなどのミスをして、100点取れないかもしれません。

しかし、それは子供が学習してく上で習得しなければいけないことで、カナダで生まれたからといって、「100点取って当たり前」ではないと思うのです。

ここで100点取れなければ、娘はバカにされてしまうのでしょうか。

日本で暮らしているんだから日本語ができて当然、でもカナダで生まれ育ったんだから英語も完璧で当然と思われてしまう子供たち、少し可哀そうです。

我が子供たちが同級生から「お前、英語ができるって言ってるくせして、100点取れないんじゃないか」、「英語ができるなんて、うそっぱちじゃん」などと言われないためにも、学校では沈黙を保て、目立つ行動はするなと、祖母はくぎを刺しているようです。

残念ながら、明確な答えは見つからず

教師の間違いを指摘していいかどうかは、やはり個人的な見解で違ってくるのでしょう。

自分自身は、「ちゃんと言葉を選んで伝えれば指摘してもいい」と思っています。

しかし、教師が母(娘からしたら祖母)のような感覚の持ち主であれば、指摘はタブーということになります。

これからの子供たちの将来ためにも、日本全体がもう少しオープンな社会になってほしいと願うばかりです。