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シリル化で特許検索
現在「IBM社レジスト特許を読む」を学習中です。
シリル化について学習しましたが、実際にどれくらいレジスト関連の特許で使われているのか検索してみました。
結果がこちら。
Jplatpat:発明の名称:シリル化、請求の範囲:レジスト (全19件)
年代が古いものが多い(2000年以降の特許は3件のみ)
主な出願人:
• 東京エレクトロン株式会社
• ソニー株式会社
• 富士通株式会社
• シャープ株式会社
• JSR株式会社
• 株式会社東芝
出願特許件数はそれほど多くないですし、2000年より新しい特許は3件しかありませんでした。すでに廃れた技術で今では使われていないのか、あるいは周知の技術となっているために新しい特許は出願されていないのかなどの、何らかの理由があるのでしょう。
ちなみに、「シリル化」が発明の名称になっている特許の数は526件。年代の比較的新しい特許としては、東亞合成株式会社や東京応化工業株式会社、モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッドなどの企業が、「シリル化剤」「シリル化+化合物(ポリマーなど)」関連で、特許申請している傾向にあるようです。
今回は、東京エレクトロン株式会社のシリル化に焦点を絞り、検索をかけてみました。
その結果、「IBM社レジスト特許を読む」内で説明されていたシリル化処理装置関連の特許が見つかりました。
シリル化という意味では類似特許と言えます。しかし、「IBM社レジスト特許を読む」と下記の特許では、シリル化を活用する目的が全く違っています。
「IBM社レジスト特許を読む」では、「シリル化を用い、Siを導入することで耐エッチ性が強くなり、下の層を異方性エッチングするのに役立つ」ことについて記載されています。
それに比べ下記の特許は、「層間絶縁膜のダメージ部を回復させるためのシリル化処理とその装置」について詳しく書かれています。
Jplat-pat:要約:シリル化、出願人:東京エレクトロン株式会社 (全20件)
(11)【公開番号】特開2009-188411(P2009-188411A)
(43)【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
(54)【発明の名称】シリル化処理方法、シリル化処理装置およびエッチング処理システム
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(57)【要約】
【課題】コンパクトで処理コストの低減を可能ならしめるシリル化処理装置を用いることが可能な、層間絶縁膜のダメージ部をシリル化するシリル化処理方法を提供すること。
【解決手段】エッチング処理、アッシング処理、薬液処理、洗浄処理のうちの少なくとも1つの処理によってダメージを受けたダメージ部を有する層間絶縁膜を備えた基板をチャンバ42内に収容し、上記基板を所定の温度に加熱し、チャンバ42を排気し、チャンバ42内が所定の真空度に到達したらチャンバ42の排気操作を停止し、チャンバ42内を所定の減圧雰囲気に保持し、シリル化剤の蒸気または不活性ガスに所定量のシリル化剤の蒸気を含ませた処理ガスをチャンバ42に供給し、上記シリル化剤の蒸気または処理ガスをチャンバ42内で略均一に拡散させ、上記層間絶縁膜のダメージ部をシリル化する。
【選択図】図6
【符号の説明】
【0071】
1;洗浄処理システム
2;処理ステーション
11a・11b;シリル化ユニット
12a~12d;洗浄ユニット
15a~15h;変性処理ユニット
41;ホットプレート
42;チャンバ
43;排気機構
44;シリル化ガス供給機構
45;制御装置
81・82;ランプ
90;水蒸気供給機構
100;エッチング処理システム
101・102;エッチングユニット
103・104;シリル化ユニット
W;ウエハ(基板)
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の1つであるフォトリソグラフィー工程においては、露光光源の短波長化が進んでおり、近時ではArFエキシマレーザ光が用いられている。このような短波長光源を用いてレジストパターンを形成する方法としてシリル化プロセスが用いられている。シリル化プロセスは、レジスト膜を所定のパターンで露光し、このレジスト膜表面にシリル化剤を供給して露光部分(または非露光部分)を選択的にシリル化し、そしてドライ現像を行うことで、レジストパターンを形成するプロセスである。
【0003】
このようなシリル化プロセスを行う装置としては、ホットプレートと、ホットプレートを貫通して配置され、基板を支持してホットプレート上で昇降させる昇降ピンと、ホットプレートおよび基板を収容するチャンバと、チャンバ内にシリル化剤を含む蒸気を供給する供給機構と、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなシリル化処理装置では、最初にチャンバ内において基板がシリル化反応が起こらない温度となるように基板をホットプレートの上方で保持し、次いでチャンバ内にシリル化剤を含む蒸気を供給し、その後に基板を降下させて基板をホットプレートに近付けて昇温させ、シリル化反応を生じさせる。
【0004】
しかしながら、このような装置では、基板をチャンバに収容した状態で基板をホットプレートから離して保持する必要があるために、チャンバの大型化は避けられない。このような大型チャンバを用いた場合には、チャンバ内に均一にシリル化剤を拡散させるために、チャンバ内に供給しなければならないシリル化剤の量が増え、処理コストが増加する問題がある。また、シリル化剤を含む蒸気のチャンバ内での拡散が遅く、均一性が悪かった。このためシリル化処理の面内均一性はよいとは言い難い。さらに、チャンバが大型になるとチャンバの開閉機構にトルクや強度が要求されるようになるため、シリル化処理装置全体が大型化し、フットプリントが大きくなる問題も生ずる。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトで処理コストの低減を可能ならしめるシリル化処理装置を用いることが可能な、層間絶縁膜のダメージ部をシリル化するシリル化処理方法、このシリル化処理方法を実行することが可能なシリル化処理装置、及びこのシリル化処理装置を用いたエッチング処理システムを提供することを目的とする。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、当然に、ホットプレート41を備えたシリル化ユニット(SCH)11a・11bをエッチング処理システム100に搭載してもよく、逆にランプ81・82を備えたシリル化ユニット103・104を洗浄処理システム1に搭載してもよい。また、シリル化剤としてDMSDMAを示したが、これに限定されることなく、例えば、HMDS(Hexamethyldisilazane)、TMDS(1,1,3,3-Tetramethyldisilazane)、TMSDMA(Dimethylaminotrimethylsilane)、TMSPyrole(1-Trimethylsilylpyrole)、BSTFA(N,O-Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide)、BDMADMS(Bis(dimethylamino)dimethylsilane)等を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は半導体製造装置および半導体装置の製造に好適である。
ビデオ視聴後にこの特許の背景技術を読むことで、シリル化処理とはどんなプロセスなのか、またプロセス中にチャンバ内で何が起こっているかを、ある程度理解できるようになりました。
ちなみに、層間絶縁膜のダメージ部をシリル化すると、このようになるようです。
シリル化剤としては、「IBM社レジスト特許を読む」で使用されているHMDS(Hexamethyldisilazane)の他にも、DMSDMA、TMDS(1,1,3,3-Tetramethyldisilazane)、BSTFA(N,O-Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide)、BDMADMS(Bis(dimethylamino)dimethylsilane)が使用可能とのこと。
シリル化剤をトピックとしてさらに深掘りしていくこともできそうですが、ひとまずはここで検索を終了し、「IBM社レジスト特許を読む」を進めていこうと思います。
今日の一言
結果が出ない時、どういう自分でいられるか。
決して諦めない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる。
イチロー