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「魔法の“グラファイト”板」でパンは焼けるのか
まだこの講座を受講していない頃、パンを焼くことにはまっていました。菓子パンではなく、一般的にいわれるフランスパン、ハード系のパンです。
ハード系のパンをうまく焼くには、オーブンを高温(できれば300℃以上)にすることがとても重要で、そのために「魔法の銅板」と呼ばれる製品を購入しました。ステンレス板とのセットで1万円近くする高価な銅板なのですが、熱伝導率が良いためにおいしいパンが焼ける(クープがきれいに開く)ので、家庭用のオーブンでパンやピザを焼く際にとても役立ちます。
本日、共有結合結晶の学習中、グラファイトの熱伝導性について検索しました。
製品によって差はありますが、純銅よりもグラファイトの方が、はるかに熱伝導性が高いのです!
もし市販されているグラファイトシートなどをうまく加工して、「銅板よりも断然うまく焼けるグラファイト板!」のような宣伝文句を使って、ハード系パンを焼く人用に商品化できたら、けっこう売れるんじゃないかなぁ…なんて考えてしまいました。
この表でもう一つ気づいたこと、それは、ダイヤモンドの熱伝導率の高さです。ダイヤモンドは、他の共有結合結晶と同様に電気を通しません。なのに、熱伝導率はグラファイト以上です。
自由電子を持たないのに、どうして熱伝導が起こるの??と疑問に思ったため、ウィキペディアで検索しました。
(以下抜粋)
ダイヤモンドの熱伝導
ダイヤモンドは熱伝導性が非常に高い。これは原子の熱振動がフォノンとなって結晶中を伝わりやすいことによる。
熱振動(Thermal vibration)
原子の振動のこと。分子や固体中の原子は運動エネルギーを持っていて、基準となる位置を中心に振動運動をしている。結晶格子上の原子の熱振動は特に格子振動とよばれる。
温度が高くなるほど振動の振幅は大きくなる。絶対零度であっても、不確定性原理から原子の振動は止まっていない(零点振動)。
フォノン(phonon)
音子、音響量子、音量子は、振動(主に結晶中での格子振動)を量子化した粒子(準粒子、素励起)。
振幅が大きくなる、つまり振動が激しくなることはフォノンの数が増えることで表される。
なるほど、ダイヤモンドは、格子振動が金属における自由電子の役割を果たしていて、非常に高いフォノン周波数を持っているために、熱伝導率が高いんですね。
グラファイト板よりもさらに熱伝導率の高いダイヤモンド板を作れば、ハード系パンを焼く人たちは喜んで購入してくれるような気がしますが…お値段はどうなるやら。
…そんな夢想はここで終わりにして(ビジネスノートにでも書いておこうかな)、明日は分子結晶から頑張りたいと思います。
今日の一言
In the middle of difficulty lies opportunity.
(Albert Einstein)