外国人の定義
それぞれの国において,その国の国籍を有しない者。日本においては,日本国籍を有しない者が外国人で,それには外国の国籍を有する者と無国籍者とがある。外国と日本の国籍をもつ二重国籍者は,外国人とみなされないのが普通であるが,例外的には日本国籍および外国国籍を有する者を外国人として取扱う場合もある (外国人の財産取得に関する政令2条1項2号) 。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
娘は外国人 in Japan
突然ですが、娘は勉強が嫌いです。
特に国語が苦手で、日本に住み始めて数年経つにも関わらず、助詞の使い方がヘタクソです。
親として頭の痛い娘ですが、運動は得意で、かけっこはクラスで2番(1番は男の子)。
足が速いのでリレー選手に選ばれました。
そんな娘が、買い物帰りにふとぼやいた言葉が、
「『外国人だから足が速いんだよね』って言われちゃった」
です。
そこでふと、「外国人の定義は?」と疑問がよぎったのです。
確かに、娘は外国で生まれました。
しかし日本に住み始めて数年以上たちます。
娘の父親は、日本人ではありません。
しかし、母親(私)は生粋の日本人。
そして、娘の外見もかなりアジア人寄りなので、娘のことを知らない人の大半は娘のことを、「ちょっと濃いめの日本人」と認識すると思います。
日本国籍を持ち、現在日本で育っている娘ですが、いまだにクラスの子から何かにつけて「外国人」扱いされているようです。
以前も、「父親が日本人じゃないから英語が話せて当たり前だし、日本に数年住んでるんだから日本語が話せて当たり前」、とクラスメートから思われていると、ぼやいたことがありました。
なんでしょう、この違和感。
両親や祖父母全員が日本人でなければ外国人と認定され、あるいは外国で生まれたという事実だけで、外国人扱いされてしまう村社会的な環境。
そして英語圏で生まれたんだから英語が話せて当然、と先入観を持たれてしまうような、井の中の蛙的な狭い世界。
これって、名古屋という都会の田舎に住んでいるからなのでしょうか。
娘 in Canada
カナダで暮らしていたときにも、”Where are you from?”と聞かれたことはありました。
子ども本人や両親がどこの国の出身かなど、興味を持たれることはよくあります。
しかし、学校などで子どもたちが一緒に遊んでいて、「おまえは外国人だ」と言われたことはありませんでした。
というのも、まわりの人たちはいろんな国の出身で、ハーフやクオーター、さらには家系をだどっていけば10か国くらいの血が混ざっている、なんてこともザラにある環境だったからです。
移民の子たちも、「自国民(カナダ人)」として普通に暮らしていました。
もちろん普段表面では見えていない、白人第一主義のような人種差別問題も全くなかったわけではありませんが。
そんな移民でいっぱいの国、いろんな人種や宗教が混ざり合う国で暮らした経験があるため、ときどき日本の村社会が窮屈で仕方がなくなります。
外国人 vs 国際人
話を戻して。
娘の足の速さは、もちろん「外国人だから」ではありません。
外国人だから足が速いんだとしたら、足が速くない息子の立場はどうなってしまうのか…。
息子のほうが娘に比べ、よっぽど主人に似た外見をしているんですけどね。
娘には、「外国人ってなんだろうね。クラスのお友達だって、別の国に行けば自分たちが外国人になるんだけどなぁ。お友達が外国に行ったからって、急に足が速くなるわけじゃないのにね」と話しました。
この調子だと、今の学校にいる限り娘は外国人扱いされるのかな、と少し心配になります。
日本には日本のいいところがたくさんあります。
名古屋も好きです。
しかし、子どもの将来を考え、日本(少なくとも名古屋)に住むことに対する長所と短所をリストに挙げていくと、けっこう短所が目立つんですよね。
東京に住めば話は別なのかもしれませんが、家族4人で東京へ引っ越そうと思うとものすごくお金がかかりますし、家族全員のことを考えると、やはりカナダに戻るのが一番いいのかな、と。
子どもたちが外国人と言われ続けながら生活しなくてもすむ環境を与えてあげたいです。
またその一方で、どこに住むことになっても生きていけるだけの強い精神力やサバイバル力をつけてほしいと思っています。
日本国民はいつ、本当の国際人になれるのでしょうね。