パナソニックも半導体ビジネスから撤退?
ここ数日、世間は「米国VS中国(ファーウェイ)問題」でもちきりですね。
日本のファーウェイユーザーだけでなく、ファーウェイとのビジネス関連企業もいろいろとしわ寄せが来ているようです。
その企業の1つに、パナソニックがあがっています。
今回の記事では、パナソニックのファーウェイ問題ではなく、半導体に関連したお話をしたいと思います。
事業戦略・方針発表に関するプレスリリースによると…
パナソニックはここ数年、日本の特許出願件数ラインキングで3位をキープしている、誰もが知る大企業。
*ちなみに、1位はキヤノン、2位はトヨタ自動車です。
地位がゆらぐことのなさそうな大企業に見えますが、やはり不況の波にあおられ、分野によっては業績悪化は避けられない状態だったようです。
そして今日からちょうど1か月前の2019年4月23日、パナソニックは子会社のセミコンダクターソリューションの事業の一部を、ロームに譲渡すると発表しました。
理由としては、「電池応用技術を注力分野とし、これら分野にリソースを集中することで事業成長を目指したいから」。
ということで、上記からはずれた分野である事業、「ダイオード」「小信号トランジスタ」を、ロームに譲渡することに決定しました。
・トランジスタ(バイポーラ、抵抗内蔵型、接合型電界効果)
・ダイオード(ショットキーバリア、TVS、ツェナー、スイッチング、ファストリカバリ)
この譲渡は、2019年10月に完了するようです。
GaNパワーデバイスをあきらめてしまう?
ここでふと思ったのですが。
トランジスタを譲渡してしまうということは、GaNパワーデバイスからも手を引いてしまうということでしょうか?
ちなみに、GaNパワーデバイスの説明はこちらになります。
GaN(窒化ガリウム)とは、次世代パワーデバイスに用いられる半導体材料のこと。物性に優れており、高周波特性を活かし、低耐圧領域で採用が始まっている。例えば、GaNパワーデバイスを、DC/DCコンバータやインバータなどの電源装置に搭載すれば、電力変換効率の向上や装置の小型化などを実現できる。既に量産化が始まっているSiC(シリコン・カーバイド)を補完するパワーデバイスとして、今後も普及が期待されている。
出典:ROHM SEMICONDUCTOR
SEMICON Japan2018のセミナー内でも、SiCパワーデバイスと並んでGaNパワーデバイスの話が出ていましたし、低損失デバイスとして期待されているこのGaNパワー半導体を失ってしまうのは悲しいですね。
譲渡先も誰もが知る大企業ロームなので、こちらで引き続き頑張ってほしいです。
それにしても、日本の半導体関連企業はどうなってしまうのでしょうか…。
半導体ビジネスに限らず、日本全体が少しずつ沈んでいっている気がしますし。
杞憂に終わればいいんですけどね。