5月10日の日経ビジネスで、「スーパーサイクルに乗り切れなかったニコンの挽回策」というタイトルの記事を見つけたので、読んでみました。
とても興味深い内容だったので、ニコンのサイトに行って更に情報収集。
予想したとおり、ニコンの公式サイトで中期経営計画が公表されていました。
どんな計画がされたのか、ワクワクしちゃうじゃないですか!
これは読んでみなければ!と、さっそくPDFを開くことに。
中期経営計画(2019~2021年度)
この中期経営計画では、いろいろな改革が打ち出されています。
たとえば、このような計画。
半導体装置企業は「選択と集中」、その他の事業は撤退や売却を実施し、300億円以上の費用削減する予定なんですね。
半導体装置事業において、上記では「大幅に収益改善したが競争環境の厳しさは継続」と書かれています。
「大幅に収益が改善した」とのことですが、これは半導体露光装置の特許に関する訴訟で、ASMLからの和解金が入ったからでは…と思ったのは自分だけでしょうか。
「競争環境の厳しさは継続」は、ASML社に露光装置や露光技術面で完敗しているのが原因ですよね。
EUV技術開発の遅れをとり、最終的にはEUV開発をあきらめ、液浸露光技術で進めていくことに決めたニコン。
日経ビジネスの記事タイトル通り、「スーパーサイクルに乗り切れなかった」ニコンは、さぞ悔しい思いをしていることでしょう。
ニコンは今後どうなるの?
半導体装置事業の改革計画に関しては、これまでの事業の収益力を強化していくとのこと。
具体的には、5nm世代対応の液浸露光装置や、計測装置”Litho Booster”を推進していくようです。
うーん、これでASMLにどこまで対抗できるのでしょうか。
どんどん差が開いていくだけのような気がするのですが。
面白いなと思ったのが、ニコンが今後成長させていこうと考えている領域です。
3Dプリンター、ロボット、ヘルスケアなど。
これまでに焦点を当てていた分野とは少し違いますよね。
3Dプリンターといっても一般的なものではなく、「金属3Dプリンター」などの差別化を図っています。
「Lasermeister 100A」という光加工機が、約1か月前に発表されたばかり。
光加工機「Lasermeister 100A」は、ものづくりに新たな市場と産業を創出することを目的に開発しました。ニコンは、長年に渡って、「史上最も精密な機械」と言われる半導体露光装置の開発、製造、販売を行っています。半導体露光装置によって培われた高度な光利用技術と精密制御技術を活用することで、高品質・小型化・低価格化を実現しました。
上記で引用した通り、今後は半導体露光装置そのもので真向から勝負するのでなく、その技術を使って横展開していく予定なのでしょう。
キヤノンがナノインプリント技術に移行していったように、ニコンは今後、3D金属プリンターやレーザー加工関連に少しづつシフトしていくのかもしれませんね。
半導体露光装置製造から遠ざかってしまう可能性が高くなりつつあり、さみしく感じます。
しかし、この厳しい世の中で生きていくためには、必要不可欠な変化だと思います。
頑張れ、ニコン!
これからも引き続き応援します!