「電圧」
電圧とは?
前回は、電流についてお話しました。
今回は電圧についてです。
電圧って何でしょう?
一言で表すと、「電気を送り出すための圧力」です。
通常、記号も単位も「V」(ボルト)で表します。
しかし、電気を送り出すために、なぜ圧力が必要なのでしょう?
これは、前回お話した電流と深く関係があるのです。
電流と電圧の関係
電流と電圧の関係を、「水の流れ」を例にとって考えてみましょう。
タンクの中の水を流すためには水圧が必要ですが、電気ではこの水圧にあたるのが「電圧」です。
上記の図の場合、タンクの高さが水圧(電圧)となり、数字が大きいほどその力が大きいことを示しています。
左のタンクは10m分の電圧、右のタンクだと5m分の電圧ということですね。
また、水の流れが「電流」に相当します。
電流は、電圧がかかったことにより流れた電気の量といえます。
水が水位の高いほうから低いほうへと流れるのと同じで、電流も電位(電圧)の高いところから低い所へと流れていきます。
電流と電圧は比例関係にあります。
10mの高さにある左のタンクに比べ、5mの高さにある右のタンクはその半分の水圧となり、また電流も比例して小さくなります。
電池に置き変えて考えてみましょう。
電圧(電位)の高い方から低い方へ電流が流れます。
この電位差があることで、電流を流すことができるのですね。
基準(点)
電圧の大きさとは、「基準」となるところからの「大きさ」を言います。
基準とは、0Vと決めた位置を指します。
例えば、富士山の高さは海抜3776m。
これは海面から測った高さということなので、海面が基準点ですね。
電圧の基準点と電位
電圧は各点の電位の差のことですから、基準点をどこに取るかによって大きさが変わってきます。
例えば、次の図のように、0(ゼロ)を「基準点」にするとします。
A点の電圧は1.5V、B点の電圧は3V、C点の電圧は4.5Vになります。
各点同士の電位差は上記のようになります。
先ほどは0地点を基準としましたが、今度はA点を基準とします。
そうすると、0地点は-1.5Vとなるのです。
A点が基準点となるため0V、B点が1.5V、C点が3Vとなり、先ほどの電圧の大きさと変わります。
しかし、各点同士の電位差は先ほどと変わりありません。
電位の矢印
回路図では、電位が高いか低いかを、矢印で表します。
矢印の先の電位が高く、矢印の手前が低いことを示しています。
ただ、この説明を読んでいるだけでは、基準点がどこか、あるいは電位が高いか低いかがわからなくても、あまり問題がないような気がするかもしれません。
しかし、電気・電子回路について一歩踏み込んで学習するとき、基準点や電位をよく理解しておかないと、訳が分からなくなってしまうのです。
電圧を十分に理解するには、基準点、電位を知ることが必要不可欠だということを覚えておいてくださいね。
「抵抗」も大事な要素
回路を学習する際に、電流や電圧と並んで、もう1つとても大事な要素があります。
それは、「抵抗」です。
次回は、抵抗についてお話したいと思います。