この受講感想は、レバレッジ特許翻訳講座の受講開始から卒業までの約2年間、どのような形で学習を進め、どのようにして専業フリーランス翻訳者としてスタートラインに立ったかを時系列で記録したものです。
自分自身の失敗談も含め、本講座受講開始したばかりの方や翻訳の学習について悩んでいる方へのアドバイスも含まれていますので、参考になればと思います。
目次
バックグラウンド
- 文系(一応海外の商学部を卒業したが活用できていない、学歴の持ち腐れ)、化学や物理などの理系知識ほぼゼロからのスタート
- 40代女性(既婚、小学生の子ども2人)
- 海外在住経験あり
- 社内翻訳者としての経験あり(企業内翻訳資料作成やウェブサイト(広報)の翻訳、カスタマーサービスなど)
- レバレッジ受講開始前に、通学の翻訳講座と通信の翻訳講座を試したものの、フリーランス翻訳者としての稼ぎを得るという結果にまったくつながらず、途方に暮れていた。
- インターネットで翻訳講座を検索していて、レバレッジを見つけたのが2017年9月中旬。
- ビデオ300本プレゼントに申し込み、3日で受講を決定し、10月初旬に受講開始。
- 本講座受講開始時点で、ほぼフルタイム(時短)勤務。
- 社内翻訳者としての経験はあるものの、翻訳に関する指導者がいない環境だったため、自分の翻訳レベルの向上につながらないことに不満を抱いていた。
レバレッジ特許翻訳講座
- 2年コースを受講
- 2017年10月に受講開始
- 受講期間プレゼント(2017年10月~2017年12月末)を含め、2019年12月に卒業
これまでの実績
- 契約翻訳会社:4社
- 実際に取引している翻訳会社:3社
- 翻訳分野(産業、特許):半導体、電気、IT、機械
2019年12月現在、専業のフリーランス翻訳者として約10か月経過(うち、3か月ほど翻訳依頼がなかった期間あり)
月に数万円~20数万円の収入とかなりばらつきがあり、安定稼働とは言えない状態だが、平均して少しずつ上昇している
レバレッジ特許翻訳講座受講前の翻訳学習歴
レバレッジ特許翻訳講座以前に、別の翻訳講座を受講したことがあります。1つは通学、もう1つは通信です。
通学講座に関しては、かれこれ10年ほど前に受講しているのであまりよく覚えていませんが、総合翻訳科の初級クラス、1回2時間の授業で、期間は3か月ほどの間に合計12回くらいの授業回数でした。当時でも、受講料は10万円以上だったと思います。
実は、その初級クラスで落第するという、不名誉な実績を持っています。10人ほどクラスメートがいたのですが、講座終了後に上のクラスを受講してもよいと言われたのはたった1人で、それ以外は全員落第。自分は残りの9人に含まれていました。
こんなことを言うと言い訳に聞こえるかもしれませんが、自分の訳文がどうしてその評価(AやB+など)になるのかわからず、また講師の指導方法にも納得ができず、結果的に落ちこぼれてしまいました。授業中に講師に指摘された自分の訳文を指摘されたように訂正して再提出したつもりなのに、その結果がB評価だったことがありました。何をどう直したらいいのかわからず、混乱状態に陥ったことを覚えています。
授業中は、それぞれの生徒が自分の訳文を読み上げ、講師が少しコメントをして、次の訳文に進むとのやり方で、かなり浅い授業内容でした。どうしてその訳文がおかしいと思うのか、次回からどうしたら同じような間違いを犯さなくて済むかなどの建設的なアドバイスを授業中にしてほしかったというのが、今更ながらの本音です。
この初級クラスに10万円以上を費やしたにもかかわらず、翻訳レベルは全く上がらず、時間のロスをして、さらにその講座の講師を嫌いになるといった、意味のわからない無駄遣いをしてしまいました。
2つ目に試したのは通信講座です。
3年ほど前にもう少し専門的な学習がしたいと思い、技術翻訳の通信講座を始めました。こちらも初級コース(最長1年の受講期間、課題12回で、約6万円の受講料)を勧められ、中級コースから始められないものかと思いながらも、初級からスタートしました。
1年間の受講期間中、数百ワード程度の課題(1回につき)がたったの12回分しかありません。全部を合計してみたところで、1年間の翻訳量が1万ワード以下です。一般的に、プロ翻訳者として1日平均2000ワード(英日の場合)以上をこなすことが求められますので、この程度の翻訳の学習で足りるはずがありません。1年間という期間はあったものの、半年で全課題の提出を終えました。
このコースでは、提出課題でほぼ毎回A判定をいただきました。評価が悪くなかったため、中級をスキップして上級コースに行けないか聞いてみたところ、中級コースを受講しろとの返答でした。この指示をもらえたことは、本当に幸運でした。というのも、「上級コースを受講していいよ」と言われたら、たぶん喜んで受講していたからです。
「成績が悪くないのに、どうして中級コースを受講する必要があるのか」とのいら立ちを覚えました。そこでふと立ち止まり、自分が置かれている状況を冷静に考えた始めたことで、「このスピードで学習をしていたら、実際に翻訳者として活躍できるようになるまでに、どれくらい時間がかかるのか?」との疑問が湧いてきました。
ここでやっと、「プロの翻訳者になって稼げるようになるための学習」についてものすごく考え、インターネットで「プロの翻訳者になるための学習方法」を数日間調査し、結果、レバレッジ特許翻訳講座にたどり着いたのです。
レバレッジ特許翻訳講座を見つけた後も、この講座について調べてみました。講座受講生や卒業生のブログを読んだ限り、学習に時間を費やし、しっかり知識をつけている印象を受けました。ただ、この講座に関するネガティブな意見もいくつかのブログ内で見つかったため、「本当にこの講座を受講して大丈夫なの?」との疑念も抱いていた、というのが正直な感想です。
その不安が拭いきれなかったこともあり、まずはビデオ300本プレゼントに申し込みました。10分程度の短いビデオセミナーをいくつか視聴した後、「P&G特許を読む」シリーズに取り掛かり、これなら大丈夫そうだと3日で受講を決定しました。当時は1年コース、1年半コース、2年コースという3つの選択肢があり、私は2年コースを申し込みましたが、どのコースが自分にとって最適かを管理人さんに相談した後の決断です。
1年コースでプロの翻訳者となって卒業できれば、お金も時間も無駄にしなくて済みます。しかし、フルタイムで働いている、家事もあり小さい子供の世話をしなければいけない、といった立場の人間には、1年コースは短すぎると実感しました。トライアルに受からないまま卒業となると心が折れかねないので、受講期間には余裕を持たせることをお勧めします。
ちなみに、レバレッジ特許翻訳講座以前に試した2つの翻訳講座に、15万円以上のお金と9か月ほどの時間を費やしましたが、全くプロのレベルに到達することはできませんでした。
若い頃に9か月という時間を無駄にしても「いい勉強した」くらいで済むかもしれません。しかし、私がこの講座の受講を決定した時点ですでに40代半ばになっていたため、「これがだめだったら、もうフリーランス翻訳者として立ち上げることができないかも」と真剣に考えていました。
一応専業フリーランス翻訳者としてのスタートを切った今でも、崖っぷちに立っているという気持ちは変わりありません。時間は最も貴重なリソースです。ですので、1週間に数時間の学習を何年間も続けていくのではなく、集中的に学習して短期間で翻訳者として立ち上がること、そしてなるべく早く安定稼働を実現することが、必要不可欠だと思っています。
受講開始から2019年12月までの経緯
2017年10月~2018年1月
迷走期間
受講開始直後は数日間かけて、3000本近くあるビデオを全てダウンロードしました。
ビデオ300本プレゼントの際(受講前)に「P&G特許を読む」シリーズをすでに視聴し始めていたため、受講開始後もそのまま続行しました。しかし、「P&G特許を読む」シリーズの中盤に差し掛かり、自分でダウンロードした特許明細書に目を通したところ、化学や物理の知識がないと特許明細書が読めないということに、ようやく気づいたのです。
気づいたものの、岡野の化学や橋元の物理をいきなり視聴して理解できる自信がなく、まずはNHK高校講座の「化学基礎」から始めることにしました。「化学基礎」を全部視聴したことで化学に対する免疫が少しついたものの、岡野の化学と橋元の物理の学習開始が遅れてしまいました。
今振り返えってみると、受講開始直後から岡野と橋元を始めれば、一番の近道になっていたはず、と分かります。私の経験から言えば、化学と物理は独学するのではなく、さっさと岡野と橋元のビデオで学習し、分からない箇所を管理人さんに質問するのがベストです。独学では、(大学受験用ではなく)翻訳者として必要な化学や物理がどんなものか、また特許明細書を翻訳するのに必要な知識範囲やレベルがどの程度なのか、ということが全くわかりません。実際に理系の基礎知識がどのくらい必要なのか分かるようになるのは、特許明細書を自力で読み、ある程度翻訳できるレベルに達した時だと思います。そのレベルが分からないようなら、まずは管理人さんのアドバイスに素直に従い、岡野と橋元から始めることをお勧めします。
1月初旬にマスターCVを完成させ、管理人さんにチェックしていただきました。
CV作成の際、専門分野をどうしたらいいものかと、かなり悩みました。興味のある分野をいろいろと試してみようと思い、MEMS、二次電池、ポリマー、カーボンナノチューブなどの学習を始めることに。しかし、何を学習しても半導体にたどり着いたため、結果、半導体を専門分野とすることに決定しました。
講座ビデオでの学習の他に、時間がある時には「よくわかる最新半導体リソグラフィの基本と仕組み」、「はじめての半導体プロセス」、「はじめての半導体リソグラフィ技術」などを読みました。
この頃には、通勤時間(自転車運転中&電車内)、会社でのお昼の時間、すべて講座ビデオや本読みなどに費やしました。例えば、タブレットにビデオセミナーをコピーしておき、ワイヤレスイヤホンを使って通勤中に視聴したり、明細書や他の資料(主にPDFファイル)を入れておき、会社でのランチ時間に読んだりしていました。今でも家事や外出の際には、タブレットを活用しています。
また、出勤日の朝には30~40分早く家を出発して、勤務時間前まで駅のベンチでひたすら学習する、という行為を半年以上続けました。家庭の雑務に邪魔されることなく、学習に集中できるからです。しかし、夏は暑く、冬は寒いというデメリットもあります。あまりにも寒くて辛い日に、会社の人事の方に会社の休憩室を使わせてもらえないかとお願いしてみたところ、ありがたいことに承諾が得られました。その日以来、始業時間までの朝の約40分間、空調の効いた休憩室で学習させてもらえるようになりました。
ここで、少し専門分野についてコメントしておきます。専門分野は、実際に学習を進めていくうちに、また、仕事をいただくにつれて変化していきます。私自身も、最初は半導体分野で進めていましたが、今では電気、IT、機械分野での案件をいただいています。また今後のために、現在専門分野を広げる学習を始めています。ですので、受講開始時に全く専門分野がない場合も、あんまり深く考え込まず、興味のある分野を専門分野に決めてしまえばいいと思います。「どの専門分野にするべきか?」と何週間も悩み続けたところで、結局時間の無駄になりかねません。
2018年2月~2018年7月
基礎固め強化期間(主に化学と物理)
ずっと躊躇していたブログを、やっと2月に開始しました。最初はWordPressの無料ブログを使用していました(2018年10月にXserverと有料テーマに移行)。4か月間も先延ばしにしていたのは、管理人さんに公開処刑されるのが怖かったからです。受講開始4か月経っても、まだ自分の失敗をさらけ出すことが恥ずかしく、怖いと感じていました。
この時期に、管理人さんに最初の叱咤激励(公開処刑とも言う)をいただき、自分の劣等生ぶりに落ち込みながらも、少しずつ夢子脱却を図りました。精神的に強くなったのもこの頃からだと思います。
今思えば、失敗をしないために行動しなかったり、失敗したことを隠してしまったりすることの方が、失敗することよりもたちが悪いです。失敗して反省して、そこから学ぶことで成長できることを、実際に経験しました。管理人さんからの公開処刑は、受講生が受けられるサービスの一環だと、私は捉えています。仕事中に失敗してしまうと、精神的にも経済的にも立ち直るのに時間がかかります。ですので、管理人さんに修正してもらえるうちにいろいろな失敗して、できる限り成長しておくべきだと思います。
躊躇していたブログですが、いざ始めてみればいろいろなメリットがあると実感できます。1.ブログ記事を書くことで、管理人さんからフィードバックやアドバイスがもらえる、2.自分と同じようにブログで情報発信している受講生との交流が図れる、3.記録することで、過去の自分を振り返ることができる、4.情報発信することで、自分の書く文章に敏感になる、という4つが、現在の主なインセンティブになっています。
岡野の化学の学習もまた、2月に開始しました。始めてみると想像していた以上に面白いということに気付きました。ただ、ずっと岡野の化学のみを学習していると辛くなってしまうので、途中から橋元の物理も同時進行することにしました。自分のように、1つの科目のみを進めると飽きてしまう人には、岡野と橋元の同時進行をお勧めします。
3月に初めてスカイプ相談をお願いしました。その時の記録が下記の通りです。
ビデオ視聴
- 現在は岡野の化学中心。週に10本消化程度の進み具合(子供行事等がある場合、それより少なくなる場合もあり)。
2018年3月現在の学習時間
- 30~45時間/週(子供学校行事の有無などで、かなり左右される)。
- 仕事・家事・子供行事などがあるため、これ以上学習時間を増やすのは難しい。
この頃、「学習、ブログに費やす時間が思うように取れない」と悩んでいましたが、スカイプでアドバイスをいただき、そのアドバイスに沿った計画を立てることで目標が明確になりました。
受講開始してすぐにスカイプ相談をお願いしておくと、自分の方向性が見えてくるのでお勧めです。悩んで頭や手が止まってしまうくらいなら、早めに管理人さんに相談した方がいいと思います。しかし、単に文を羅列するのではなく、しっかり自分の考えをまとめることが大事です。管理人さんに質問する前に「自分が今、何を悩んでいるのか、どうしたいと思っているのか」などを整理していくと、自分で答えが導き出せることがけっこうあり、私自身も、質問をワードファイルなどにまとめていくうちに、欲しかった回答が見つかり、結果質問しなくてよくなったという経験が何度かありました。
7月末に、岡野の化学と橋元の物理のビデオを視聴し終えました。受講開始からすでに10か月経過していました。もっと早くに済ませたいという焦りもありましたが、ほぼフルタイムで働きながら家事をこなし、また小学生2人の世話をする生活をしていたため、これ以上の時間の短縮は無理だったと思います。
できる限り学習に時間を費やすために家事は手抜きになり、家族との時間が激減しました。過去2年間この生活を続けてこられたのは、家族の理解と協力があったからです。実際に、家族団らんの時間が減ったことが原因で主人や子供たちから文句を言われ、ケンカをしたこともありました。家族との時間を犠牲にしたので、家族の苛立ちは仕方がないことだと思います。しかし、「勉強頑張ってね」と励ましてもらったことも多々あり、本当に感謝しています。私と同じような立場(フルタイム勤務、家事あり、子育て中)の方は、ご家族とよく話し合い、協力してもらうことをお勧めします。
2018年8月~2018年12月
専門知識向上のための学習期間(対訳シリーズ、特許明細書読み、SEMICON Japanに向けての準備)
岡野と橋元の学習で理系の基礎知識を得た後は、「IBM社レジスト特許を読む」シリーズを使って特許明細書の対訳練習を開始しました。半導体への関心が強かったからです。
また9月頃から、本格的にSEMICON Japan 2018(12月開催)の参加準備を始めました。具体的には、出展企業の調査や、露光装置関連の特許明細書の多読、訪問予定の出展企業での質問事項作成などです。
明細書の多読を始めたころから、Tradosの習得を本格的に開始しました(半年ほど前に購入したが、数回いじってみた後に放置していた)。
Tradosは早め(トライアル応募前まで)に基本操作を習得することをお勧めします。Tradosを使用した仕事の依頼が来ても問題なく使いこなせるように、早めに慣れておく必要があるからです。Tradosは少々クセがあるため、慣れるまでに多少時間がかかります。仕事上いきなり別の翻訳支援ソフト(自分の場合はMemsource)を使用しなければいけなくなったものの、Tradosに慣れていたため焦らずに済んだ(基本的な操作方法は似ているため)、という経験もしました。Tradosに慣れておくのと同時に、できる限り翻訳メモリや用語ベースの増強をしておくといいと思います。
10月末に、WordPressの無料版ブログから、有料テーマ、Xserverでのブログ作成に移行しました。この頃から、ブログを育てることに興味が湧き始めました。仕事や学習に追われていると、ブログを大きく育てることはなかなか難しいので、今は文章を書く練習を兼ねて少しずつブログを継続している状態です。
同じく10月頃から、ストレスや疲労のせいで、毎日のように頭痛に悩まされるようになりました。このまま続けていたら、学習に影響が出るだけでなく、いつか倒れるか燃え尽きてしまうと思い、退職を決断しました。12月の退職を会社にお願いしたところ、「いつか辞めるだろうなとは思っていた」と上司に言われました。朝早く出勤して休憩室で学習したり、ランチの時間もほとんど誰ともしゃべることなく黙々と学習したりしていたからのようです。
12月にSEMICON Japan 2018に参加し、自分の基礎知識及び専門知識の浅さと、営業力のなさを実感しました。しかしまた、新しい知識の獲得の楽しさも体験できました。
さらに、初めて女子会に参加し、講座受講生同士の交流がとても楽しく充実したものだと感動しました。ブログをやっていなかったら、この繋がりはできなかったはずです。
12月下旬に退職したことでやっと頭痛から解消されて、一瞬ほっとします。しかしその直後、これまで安定して毎月入って来ていた安定収入が全くなくなることに対する不安と焦りが深まりました。
この時点ですでに、受講開始から1年3か月経過しています。岡野の化学、橋元の物理、対訳シリーズ(P&G、IBM)、半導体関連の特許明細書の多読を完了したのみです。翻訳メモリや用語ベースの増強やトライアルに向けての学習など、トライアルのための準備項目は山積み状態でした。
年末のブログで、「2018年はインプットの1年だった」と書いたところ、管理人さんから「早くトライアル受けろ」とのメッセージ(裏ブログ)が届きました。その時の計画では、年明けからメモリの構築やトライアルに向けての学習を進め、2019年の3月にトライアルの応募を始めるつもりだったのです。しかし、それでは遅すぎると思い直し、年明けの計画を練り直しました。12月半ばのうちに翻訳会社に関する事前調査を済ませておいたことで、トライアル応募先を心配する必要がなかったため、事前に行動しておいてよかったと思います。
2019年1月~2019年6月
トライアル期間とフリーランス翻訳者としてのスタート
対訳収集や、翻訳メモリの吸い上げ、用語ベースの強化などを飛ばし、まずはトライアルを受けてみることにしました。トライアルの準備期間として2週間設け、1月中旬にトライアル初受験しました。
1月に受けたトライアルは合格判定がいただけて、すごくほっとしたことを今でも覚えています。年度末の超繁忙期直前に運よく契約できたため、合格後まもなくチェッカー案件、そして短めの翻訳案件の依頼がくるようになりました。案件依頼のピークは3月下旬でした。
フリーランス翻訳者として仕事を開始したのと同時に、個人事業主として開業手続きを行いました。
開業手続き自体は、全く難しくありません。ただ、確定申告で青色申告する場合などは準備が必要なので、よく調査をしてから開業するかどうか決定した方がいいと思います。
2018年3月の年度末が過ぎた時点(繁忙期終了)で仕事の依頼がなくなったため、4月~6月はトライアルを受けることに専念しました。書類審査で落とされることはほとんどなかったので、トライアルの応募数とトライアル受験回数はほぼ同じです。しかし、トライアルを複数回受けたからと言って簡単に合格できるわけでもありません。それどころか不合格通知が連続で舞い込んできた時期があり、かなり落ち込みました。
不合格ばかりで辛かった時期に、本当にありがたい存在だったのが同講座の同士です。同じような環境で同様の悩みを持つ仲間と繋がることで、励まし合ったり、役立つアドバイスを交換したりするこができます。ブログなどを通して気の合う仲間を見つけ出し、関係を深めていくことをお勧めします。
不合格となったトライアルは苦い経験なので、はっきり言って2度と見たくありません。しかし、自分が受けたトライアルのどこが悪かったのかを振り返る作業をし、失敗を成功の糧にすることでこの先のトライアル受験に役立つと信じ、見直しを行いました。自己成長していくためにも、今後もトライアルの振り返りはしていこうと思っています。
6月下旬に仕事の依頼がまた来るようになりました。仕事が少しずつ増え始めたところで、トライアル応募はひとまず終了。この時点で、受講開始から1年9か月経過しています。
トライアル応募:11件
書類審査落ち:1件(現在、英日翻訳者募集中止中との連絡あり)
トライアル受験:10件
トライアル合格:5件(1件は翻訳者として、3件は翻訳者兼チェッカーとして、1件はチェッカーとして)
トライアル不合格:5件
2019年7月~2019年12月現在
フリーランス翻訳者として働きながらも、さらに上を目指すために学習+α
7月からは新しい契約先からも仕事の依頼が来るようになり、夏休みは繁忙期であることを実感しました。繁忙期前にトライアル合格して契約を交わせると、あまり待たずに仕事の依頼が来る可能性が高くなるように思います(ただし、翻訳会社によって繁忙期は異なる)。ただ、最初からSランクやAランクで参入できないレベルだと、繁忙期だけにしか仕事が来ない、あるいは登録だけして全く仕事が来ない、ということも経験しました。
8月に管理人さんとスカイプコンサルで相談し、今後のためにも横展開(専門分野の拡大)の学習をすることに決定しました。しかし仕事の依頼が増えてきたために、横展開はしばらく延期となりました。
10月は、翻訳祭や会合、女子会+αと、盛りだくさんの関東訪問を行いました。この訪問がきっかけで翻訳案件をいただくことができたことからも、家にじっとこもっているのではなく、人と会って話す機会を作る必要があると実感しています。
11月末には仕事が少し落ち着き、大きなイベントもない状態になったため、横展開の学習を再開しました。また、放置状態になっていた青色申告の準備なども開始しました。記帳は溜まると後々の処理が大変になるので、各月毎に進めておくべきだったと反省しています。
12月現在は、翻訳案件の依頼があれば学習を中断し、納品し終えたら学習を再開するサイクルで進めています。また、仕事中にできないこと(例えば、翻訳作業環境の構築、購入済み書籍の読書、化学の基礎や算数など子供の学習の手伝い)に時間を費やしています。
現在~今後の予定
これまでに3社から仕事をいただき、このうち2社からは翻訳依頼頻度が増えつつあります。しかし、まだ安定受注とは言えない状態です。2019年3月に個人事業主として開業して以来、月に数万円~20数万円の収入とかなりばらつきがあり、これではプロの専業フリーランス翻訳者とは言えません。今年の収入は100万円弱です。来年は年収300万円を目指します。
この先はスラック(時間的余裕)をできる限り増やし、専門分野の拡大と深掘りの学習を進めて行く予定です。また、来年の繁忙期後(4月上旬)に新たにトライアル期間を設け、新しい分野への拡張、またさらにレートの高い会社との契約を目指し、トライアルに挑戦していきたいと考えています。
謝意
最後になりましたが、2年間大変お世話になりました。初めのうちは牛歩どころかカタツムリ並みの成長スピードしか出せずにどうなるかと不安でしたが、何とか専業フリーランス翻訳者としてスタートできました。「翻訳の学習方法」だけでなく、「翻訳者としての心構え」から「ビジネス展開の仕方」に至るまで、多種多彩な知識の習得ができたことを、本当に感謝しております。教えていただいた知識の多くは、今まだ「知っている」レベルに留まっていますが、今後数年かけて「できている」「教えられる」レベルにまで向上させていくつもりです。